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ボイラー事故の移り変わり

1.大正〜昭和10年頃


ランカシャボイラーの破裂、飛出し

当時のボイラーはコルニッシュ、ランカシャ、横置多管式で過半数を占め、事故の形態は破裂が極めて多く発生していました。事故原因は、まだボイラーの製作技術が未熟で構造規格も確立していない時代であり、工作不良や構造欠陥も大きな割合を占めていました。

2.昭和11年〜20年


水管式ボイラーのガス爆発により水冷壁管が大きく湾曲し、四隅は破口

ボイラーの種類は、依然としてコルニッシュ、ランカシャ、横置多管式が過半数を占めていましたが、水管式が増えてきました。燃料はほとんどが石炭であり、手動による運転でした。事故の形態としては低水事故が多くなっており、その原因は水面計の監視不十分などの操作ミスによるものでした。

3.昭和21年〜30年

ボイラーの種類は、コルニッシュ、ランカシャ、横置多管式がまだ多い状況でしたが、ビルの暖房用に鋳鉄製組合せ式ボイラー(以降、鋳鉄製ボイラー)が増えてきました。そのためボイラー本体の鋳鉄部分に亀裂事故が発生し始めました。燃料は石炭から重油に転換した時期であり、ガス爆発が少しずつ発生してきました。

4.昭和31年〜40年


炉筒煙管式ボイラーの低水事故による炉筒の膨出、破口

ボイラーの種類は、旧タイプの炉筒ボイラーが減少し、炉筒煙管式や水管式がさらに増えてきました。燃料は、重油規制の緩和に伴い石炭から重油に切り替ってきましたので、事故の種類はガス爆発事故が多くなってきました。

5.昭和41年〜50年


鋳鉄製ボイラーの亀裂漏洩

ボイラーの種類は旧タイプの炉筒ボイラーが一段と減少し、水管式、炉筒煙管式、鋳鉄製がほとんどとなり、全設置基数も大幅に増えてきました。事故の種類は、運転の負荷が高くなったためか水管の破裂が多くなりました。ガス爆破や低水事故も同程度の割合で発生しており、炉筒煙管式ボイラー本体が低水事故により炉筒が破裂し10mも飛出した大災害(いわゆる飛動事故)が発生しました。

6.昭和51年〜平成元年

労働省から事故防止のために、「ボイラーの低水位による事故の防止に関する技術上の指針」と「油炊きボイラー及びガス炊きボイラーの燃焼設備の構造及び管理に関する技術上の指針」が示され、低水事故とガス爆発事故は減少してきました。そのため鋳鉄製ボイラーの亀裂事故の発生割合が相対的に高くなってきました。

7.平成元年〜


小型貫流ボイラーのスケール付着による水管の閉塞、過熱、破口

この頃からボイラーの種類は多管式小型貫流ボイラーが多数設置され、性能検査が必要な炉筒煙管式ボイラーや水管式ボイラーは激減し、事故件数も減少してきました。多管式貫流ボイラーは、重大事故の発生はありませんが、スケール付着による水管の過熱、破裂事故が多くなってきました。

簡易年表

年号(西暦) 当社 行政および関係団体
明治20年(1887) 東京火災保険創立  
明治41年(1908) 第一機関汽罐保険創立 東京電灯、火力発電供給を開始
明治44年(1911) 第一機関汽罐保険、ボイラー検査代行者に指定(東京)  
昭和5年(1930) 第一機関汽罐保険、第一機罐保険に社名変更  
昭和9年(1934)   汽罐協会設置
昭和10年(1935) 全国都道府県の検査代行認可を取得 内務省、汽罐取締令を交付
昭和13年(1938)   汽罐取締行政が厚生省に移管
昭和19年(1944) 安田火災創立(東京火災、帝国海上、第一機罐3社合併)
新会社に対して検査代行者指定
 
昭和22年(1947)   日本汽罐協会(現在の日本ボイラ協会)、米軍施設ボイラー検査開始(当社出身の石谷清一氏が主任検査員)
ボイラー検査の監督官庁が労働省に移管
昭和28年(1953)   日本ボイラ協会、検査代行者に指定
昭和33年(1958) 汽罐保険約款一部改定、特約付加
(膨出、ガス爆発、亀裂を補償)
 
昭和36年(1961)   ボイラ・圧力容器安全協会設立
(現在のボイラ・クレーン安全協会)
昭和37年(1962) 汽罐保険約款全面改定(補償範囲拡張)
「ボイラ・ターボセット保険」に改称
ボイラ・圧力容器安全協会、検査代行者に指定(当社出身の芳賀太兵衛氏が初代検査長)
昭和47年(1972)   労働安全衛生法公布
昭和48年(1973) 安全技術部設置(検査業務はボイラグループが担当)  
平成2年(1990) 安全技術部をテクノサービス部と改称
(検査業務はボイラ検査課が担当)
 
平成13年(2001) 検査業務を企業商品業務部ボイラ技術グループに移管  
平成14年(2002) 損害保険ジャパン創立(安田火災と日産火災が合併)  
平成16年(2004) 労働安全衛生法改定により登録性能検査機関に移行(北海道、東北、関東、静岡、中部、北陸、西日本、九州の8検査事務所) 労働安全衛生法の改定施行(公益法人に係わる改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)