《望郷》1959年
油彩・キャンヴァス
116.1 ×90.7cm
   
  独特の女性像で知られる東郷作品は、優れた技術に支えられ、
極めて洗練された感覚と美意識をもって描かれています。
東郷は、誰にでも理解でき、親しめる芸術を標榜しました。
独自性と大衆的人気においては、我国でも稀な画家といえましょう。
優美でロマンチックな画風は、女性礼讃芸術と評されました。
当館では、1914年17歳の時の「自画像」から、
当時最も前衛的であった1915年初個展の出品作「コントラバスを弾く」、
キュビスムの影響を受けた滞欧作「村の祭」(1923年)、
シュールレアリスムの影響からの「超現実派の散歩」(1929年)を初め、
東郷様式の円熟を示す「望郷」(1959年)や、
晩年のサハラ砂漠への憧憬を秘めた「タッシリ」(1974年)、
最後の二科展出品作品「リオ・デ・ジャネイロ」(1977年)に
至るまでの油彩70点を含む、素描・版画・彫刻・タピスリーなど
約 200点の東郷作品を収蔵しています。
展覧会ごとの常設展示コーナーでは、東郷作品数点を展示しています。
 
 
   
1897 -- 4月28日鹿児島生れ。
1914 -- 青山学院中学部卒業。
1915 -- 山田耕筰の東京フィルハーモニー赤坂研究所の一室で制作。
日比谷美術館で初個展、有島生馬を知り、以後師事。
1916 -- 第3回二科展初出品、二科賞。
1921 -- フランス留学。
トリノに未来派のマリネッティを訪ね、未来派運動に参加するが、絵画不在の理論に失望。
1922 -- リヨン美術学校に学ぶ。
1928 -- 帰国。第15回二科展に滞欧作23点特陳。第1回昭和洋画奨励賞。
1931 -- 二科会会員。
1938 -- 二科会に「九室会」が結成され、藤田嗣治と顧問になる。
1945 -- 終戦、二科会再建に挺身。
1957 -- 日本芸術院賞、'60年同会員。
1961 -- 二科会会長。
1969 -- フランス政府からオフィシェ・ドルドル・デ・ザール・エ・レットル(文芸勲章)。
1974 -- アルジェリアのタッシリを探訪、トッグ族のテント生活を体験。
1976 -- 勲二等旭日重光章。東郷青児美術館開設。
1978 -- 4月25日熊本で客死、享年80歳。
没後文化功労者、正四位追贈。
   
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