人事・労務系のリスク

まとまった休みが近づくと、旅行サイトのランキングなどを見ながら、家族であれこれと海外旅行を検討する人もいるでしょう。子ども連れでの海外旅行といえば、家族でいろいろな体験ができることが楽しみです。しかし、旅行先での子どもの急病やケガにどう対応していいのかがわからないため、気がかりな人も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは子ども連れ海外旅行でよくあるリスクやトラブルについて確認しておきます。どのようなリスクがあるのかを事前に把握しておけば、慌てずに対応できるでしょう。
また、トラブル発生時に役に立つのが「海外旅行保険」です。海外旅行保険に加入していると、どのようなメリットがあるのでしょうか。子どもが加入する場合は、どの点をチェックしておけばいいのかもご紹介します。
海外旅行に行く場合、大人はもちろんですが、子どもも別途、海外旅行保険に加入したほうがいいのでしょうか。まずは、子ども連れ海外旅行で考えられるリスクについて見ていきましょう。
考えられる子ども連れ海外旅行のリスクは、子どもの年齢によっても変わってきます。まず、乳幼児期の場合、長時間のフライトや現地での移動が負担になる可能性があるため、急な発熱などの体調不良に備えておくことが重要です。また、食べ慣れない料理で体調を崩すことも考えられるため、旅行先の病院や診察情報などを確認しておく必要があります。
加えて、小学生以上になると、行動範囲も広がるため、病気だけでなくケガも心配されます。海や山のリゾートで骨折やねんざなどのケガを負うこともあるかもしれません。
その他、以下のようなリスクも考えられます。
子ども連れ海外旅行の際は、子どもの病気やケガだけでなく、子どもが人や物に損害を与えるリスクについても考えておくことが必要です。そのようなリスクに対応するために、海外旅行保険があります。
海外旅行保険は旅行中のさまざまなトラブルをカバーしています。では、加入をしていると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
子どもを含めた海外旅行保険に加入する主なメリットは以下の通りです。
「環境が変わって体調が悪くなった」「アクティビティでケガをした」など、旅行中は予期せぬトラブルに見舞われることもありますが、こうした病気やケガなどが補償の対象となります。
「お店の商品にぶつかり壊してしまった」「人にぶつかりケガをさせてしまった」「レンタルしたスーツケースが壊れた」「買った商品を盗まれた」というようなこともあるかもしれません。こうした偶然の事故にも対応します。
家族や知人などが現地に駆けつけなければいけない状態になったとき、それに関する費用が支払われます。
損害保険会社の中には病気・ケガ・盗難などのトラブル時のため、日本語で相談できる窓口(電話)として「医療アシスタンスサービス」や「事故相談窓口」などを設けているところもあります。「現地の言葉が不安」というときに心強いサービスです。
海外では医療費が高額になることが多くあります。また、旅行中には高額の現金を持ち歩いている人は少なく、医療費をすぐには払えない場合があります。そこで、「キャッシュレス治療サービス」があると安心です。提携している病院で治療を受ければ、その場で費用を支払う必要がありません。
ところで、よく海外で医療費を払うと高額になると聞きますが、実際にはいくらくらいになるのでしょうか。海外の医療費の事例について見ていきましょう。
事例1)
40代の男性が、アメリカを旅行中、友人の車に乗っているときに事故に遭われました。右手を骨折し手術を受け5日間の入院。現地入院費や帰国後の治療費用の合計額は229万円でした。
事例2)
40代の女性がハワイ滞在中に咳や吐き気で受診、急性心筋梗塞と診断されて入院。疾病治療費用や駆け付けた家族の救援者費用は合わせて1,942万円でした。
事例3)
上海への旅行中にお子さまが虫垂炎になり、1週間、入院することになりました。手術と入院、付添いのご家族の滞在費合わせて14万円でした。
もし、海外旅行保険に加入していなかった場合、これらの金額を全額、自分で負担しないといけません。たとえ高額とまではいかなくても、家族旅行にかかった費用にプラスして医療費を支払うというのは、かなりの負担となります。
ところで、クレジットカードにも自動的に海外旅行保険が付帯されていることも多く、「わざわざ別の海外旅行保険に加入しなくても大丈夫」と思われる人も多いかと思います。しかし、本当にクレジットカードに付帯されている海外旅行保険だけで安心でしょうか。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、クレジットカード会社によって内容が異なり、補償の上限額が低めに設定されている場合もあります。また、一般カードかゴールドカードかなど、カードのステータスによっても補償内容が異なりますので、今一度、チェックしてみてください。クレジットカード付帯の海外旅行保険は、補償の内容が⼈によっては⼗分とは⾔えないこともあるため、外務省の海外安全ホームページ内でも内容を確認するように呼び掛けています。
子ども連れ海外旅行をする場合、家族や子どもの補償まで受けられる家族特約が付いているかの確認も重要です。特約が付いていないと、補償の対象が「カード保有者のみ」となります。家族カードであっても、18歳未満の子どもはクレジットカードが持てないため、やはり子どもの補償はないことになります。
他にも、クレジットカード付帯の海外旅行保険で、特に確認しておきたい点を挙げてみます。
クレジットカードによっては、「該当のカードで海外旅行費用や出発する場所までの交通費を支払った場合のみ保険適用」となっているものもあります。海外旅行費用をクレジットカード払いにしない場合は、保険が使えないこともあるため注意してください。
クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、保険期間が出発してから3ヵ月以内などに設定されていることがあります。その場合は、長期の旅行には適していません。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、補償金額が低めの場合があるため注意が必要です。また、補償内容の選択肢がない場合も多く、「もっと、入院に関する部分を手厚くしたい」などといったカスタマイズをすることが、できない場合がほとんどです。自分や家族にあった補償の内容なのか、しっかりと確認しておきましょう。
上記以外にも、利用条件や補償限度額、現地での日本語相談サービスの有無などもチェックポイントです。
もし、クレジットカード付帯の海外旅行保険では「補償が足りない」「家族向けの補償も欲しい」という場合は、損害保険会社の海外旅行保険で足りないところを補うこともおすすめです。損害保険会社によっては、クレジットカード付帯の海外旅行保険では足りない分をプラスできる「オーダーメイドプラン」を選択できる場合もあります。
ここからは、子ども連れ海外旅行で海外旅行保険へ加入する際、特に子どもの補償はどうなるのかが気になる人に、子どもの海外旅行保険の選び方について説明していきます。
損害保険ジャパンの「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」は、「契約者=親」「被保険者=子ども」という契約も可能です。契約者は、クレジットカードを持つ両親のいずれか一人となります。また、出発日時点で15歳未満の子どもが被保険者となる場合、傷害死亡・後遺障害保険金額、そして疾病死亡保険金額は他の保険契約などと通算し、それぞれ1,000万円が上限となるので注意してください。
家族で海外旅行に行くため、子どもだけでなく、家族全員の補償が必要という家庭もあるでしょう。海外旅行保険には、ファミリータイプの商品もあります。損害保険ジャパンの「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」に家族で加入する際の条件は、「海外旅行の目的を持った自宅出発日・帰宅日、搭乗する航空機・船舶、宿泊先がすべて同じ場合」です。そのため、出発地が違ったり、帰宅日が違ったりする場合は加入できないので気を付けましょう。
なお、この場合の「一緒に保険加入できる家族」は以下の通りです。
ほとんどの場合、海外旅行保険には子ども料金はありませんが、ファミリータイプで申し込めば「賠償責任」「携行品損害」「救援者費用」「航空機寄託手荷物遅延」など一部の補償に関して家族で共有できるので、保険料を抑えることができます。
では、最後に子どもの海外旅行保険で多く寄せられる質問について確認してみましょう。ここでは3つの質問について、損害保険ジャパンの海外旅行保険「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」の場合どうか、回答します。
喘息があるが加入できるか?
医師の治療を受けていたり、薬を服用したりしていると通常は加入できませんが、「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」は、喘息を含め、かぜや食中毒、花粉症など特定の症状、疾患に限っては、加入が可能です。ただし、その場合、旅行前に既に発生していた症状について海外で受けた医療費は補償対象外となります。
海外旅行保険は何歳から加入可能か?
年齢制限はないため、0歳児から加入可能です。ただし、年齢によっては傷害死亡・後遺障害保険⾦、疾病死亡保険⾦額が他の保険⾦額と通算して1,000万円が上限となります。
損害保険ジャパンの海外旅行保険「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」は家族で入るとお得なプランがあります。また、オーダーメイドプランで自由に特約や保険金額を設定できるので、クレジットカードの海外旅行保険では足りない部分をカバーすることも可能です。
海外で万が一、ケガや病気になったときに医療施設を利用すると、高額の医療費を請求される場合があります。特に子どもと一緒だと、どんなに注意していても、走り回ってケガをしてしまったり、疲れから発熱をしてしまったりするなど、大人だけの旅行以上に心配は尽きません。そこで、加入しておきたいのが海外旅行保険です。クレジットカードに付帯されている海外旅行保険もありますが、子どもが対象外であったり、補償内容が十分ではない可能性もあります。
その点、損害保険会社が扱う海外旅行保険は子どもだけを被保険者とすることも可能で、補償内容も手厚くなっています。家族で加入することにより共有できる補償もあり、保険料がお得になります。家族で安心して海外旅行を楽しむために、保険についてしっかりと検討してください。