チップの相場は?海外旅行に役立つチップの払い方

Point
  • チップはサービスの対価として払うもの
  • 国によりチップの事情は異なるが、アメリカでは必須
  • 伝票を見てサービス料が入っている場合はチップを払わなくて良い
  • 現金のほか、クレジットカードで払うこともできる

海外ではチップを払わなくてはいけない場合や、払った方がスマートだという場面が多くあります。しかし、チップの習慣がない日本人にとっては「どんなときに渡したほうがいいの?」「いくらくらいがチップの相場?」「チップを払うときに注意したほうがいいこととは?」などと、戸惑うこともあります。

今回はチップを払うタイミングや渡し方、注意点などについて解説します。後半ではチップに関連した英語の会話例を紹介しているので、次回の旅の参考にしてください。

チップとは?海外旅行でチップが必要なシーンと相場

海外旅行ではチップが必要になることがありますが、どのようなシーンでいくらくらい払えばいいのでしょうか。国によっても事情が異なるので人気渡航先別のチップの相場についても紹介します。

海外では自分が受けたサービスに対してチップを支払う

受けたサービスへの対価として、商品そのものの料金とは別に払うのがチップです。

国・地域によりチップの必要性は異なりますが、アメリカのようにチップが働く人にとっては重要な収入源となっている国もあります。給与が低く抑えられ、働いた分がチップとして収入になるため、サービスを受けたらチップを支払わなくてはいけません。

チップを支払うシーン

ホテル

荷物を運んでもらったときや、ルームサービスを利用したときなどに渡します。また、部屋の清掃についてはベッドサイドのテーブルなどにお金を置いておくようにします。

レストラン

テーブルを担当してくれたウェイターに渡します。渡し方については下記を参照してください。

カフェ

セルフサービスのカフェでは払うことはあまりありません。レジ横にチップを入れるための瓶が置いてあることもあるので、おつりの端数を入れても良いでしょう。

タクシー

料金を支払う際にチップを渡します。大きな荷物をトランクに入れてもらったときには少し多めにチップを渡すようにします。

バレー(バレット)パーキング

ホテルや病院、ショッピングモールなどではバレーパーキングと呼ばれるサービスがあります。駐車場に停める際に、係員に車のキーを渡して自分に代わって駐車場に入れてもらうサービスです。この際も係員にチップを払うようにします。

ツアーのガイド

観光の際には現地のツアーガイドやドライバーに渡す場合もあります。

スパ・エステ・ネイルサロン

美容系やリラクゼーション系の施設でも、担当してくれたスタッフにチップを払うことがよくあります。チップの習慣があまりないアジア圏でもマッサージを受けた場合にチップを渡すことがあります。

チップに関する事情は国・地域により異なります。チップが必須の国、高級レストランやホテルのみ渡したほうがスマートな国、特別なサービスを受けた場合に渡したほうがいい国、必要のない国があります。渡航前にガイドブックなどで確認しておくといいでしょう。

チップの相場は1~2ドルが中心

アメリカの場合、ホテルで部屋の清掃をしてもらったときのチップは1人1~2ドルが相場となります。荷物を運んでもらった場合は一つの荷物につき1~2ドルを支払います。レストラン、タクシーは料金の15~20%程度が一般的です。

アメリカ以外の国・地域でもチップを渡すことがあるので、以下の表にまとめました。アジア圏の場合にはチップは必須ではなく、良いサービスを受けたときに心づけ程度に渡す程度で良いでしょう。ヨーロッパでもサービス税をとるかわりに、チップの習慣が減ってきているようです。

各国のチップの状況

(2021年4月時点)

ホテルのポーター
(荷物1個に対する額)
ハウスキーピング
(部屋清掃)
レストラン タクシー
カナダ 1~2カナダドル 1~2カナダドル 利用料金の10~15% 利用料金の10~15%
イギリス 1~2ポンド 基本的には不要(部屋を散らかしたときに2~3ポンド程度) 利用料金の10~15% 利用料金の10~15%
ドイツ 1~2ユーロ 1~2ユーロ 利用料金の10% 利用料金の10%
イタリア 1~2ユーロ 1~2ユーロ 店のランクにより利用料金の10%前後 利用料金の10%またはおつりの端数
グアム 1~3ドル 1~2ドル 利用料金の0~15% 利用料金の10~15%
ハワイ 1~2ドル 1~2ドル 利用料金の15~20% 利用料金の15~20%
オーストラリア 2~5オーストラリアドル 不要 高級レストランの場合は利用料金の10~15%程度 基本的に必要なし。おつりの端数をチップとして渡す場合もあり
香港 5~10香港ドル 5~10香港ドル 不要(おつりの端数程度を渡すとスマート) 基本的に必要なし。おつりの端数をチップとして渡す場合もあり
台湾
韓国
不要 不要 不要 不要
タイ 20~100バーツ 20~100バーツ サービス料が含まれていなければ料金の10%程度 基本的に必要なし。おつりの端数をチップとして渡す場合もあり
ベトナム 1~2万ドン 1~2万ドン 原則的には不要(高級店では払うことも) 特別なサービスを受けた場合以外は不要

チップの支払いにクレジットカードは使える?支払い方法について

チップ用にちょうどいい現金がないときに、クレジットカードで支払えると便利です。クレジットカードでの支払い方法について解説します。

英語が苦手なら現金払いがおすすめ

チップを払う方法としては、現金払とクレジットカード払があります。現金で払う場合には直接本人に渡すか、レストランではテーブルの上に置きます。料理の料金を伝票のバインダーに挟んで渡す際に、お釣りはいらないと伝え、チップにしてもらう方法もあります。

クレジットカード払とは異なり、渡したい金額だけを払えばいいので、金額の行き違いが起こりにくいのがメリットです。お金を直接渡すか、テーブルなどに置くだけなので、余計な会話の必要がなく英語の苦手な人にも安心です。

チップをクレジットカードで支払う方法

チップをクレジットカードで支払う場合の手順の一例を紹介します。

まず、食事が終わったらウェイターにチェックを依頼します。伝票が来たら「Amount」と書かれた料金の欄を確認し、さらに、サービスチャージが合計金額に含まれていないか確認します。

サービスチャージが含まれていなければ、TipまたはGratuityと書かれている欄に、渡したいチップの額を記入します。それをクレジットカードとともにウェイターに渡します。
決済の後、控え用のレシートが渡されるので、念のためとっておいてください。

小銭はNG?レシートの確認などチップの支払い方法で注意したいこと

もし、ちょうどいい金額の紙幣が手元にない場合、小銭を集めて渡してもいいのでしょうか。チップを払う際の注意点について解説します。

チップの支払いには紙幣を使う

国により事情は異なりますが、ハワイも含めたアメリカではチップにコインを使わず、紙幣で渡すようにするのが原則です。そのため、円からドルへと換金する際には1ドル札を多めに入れてもらうようにしましょう。

また、コインはできるだけパーキングなどで使用し、1ドル札は少し多めに財布に残すようにするといいでしょう。ユーロについては1ユーロや2ユーロのコインであれば、使用しても問題ありません。

チップを支払う前にレシートを確認

レストランやホテルによってはすでにサービス料としてチップが料金に含まれています。レストランであれば、メニューにサービス料込であることが表示されていることが多くあります。また、伝票にサービス料が書かれている場合もあります。

サービス料が含まれていたらチップの必要はありません。見逃すと二重に払ってしまうことがあるので気を付けたいところです。

多すぎる金額や押しつけはNG

特別なサービスを受けたときには多めに払うこともありますが、そうでない場合には相場を大きく超える高額なチップを渡すことは好ましいとはいえません。次回からも同額のチップを要求されたり、ほかの人までが高額のチップを要求されたりしてしまうこともあります。

また、会社の方針や、その人の会社でのポジションなどにより、チップを受け取れない場合もあります。拒否された場合には押し付けることをしないようにしましょう。

スマートなチップの支払い方法は?使える英語フレーズ

ここからは、サービス料が会計に含まれているか確認したいときや、チップに感謝の言葉を添えたいときなど、チップに関して使える、簡単な海外旅行用英語フレーズを紹介します。ぜひ、使ってみてください。

チップが会計に含まれているか確認したいとき

お店によってはチップがすでにサービス料として料金に含まれている場合があります。その際には以下のように伝えて確認をするといいでしょう。

Is the tip included in the bill?(料金にチップは含まれていますか?)
Is service included?(サービス料込みですか?)

ちなみに、チップはTipだけではなくgratuityと書かれていることもあるため、伝票を見る際に注意したほうがいいでしょう。

おつりはいりませんと伝えたいとき

おつりをそのままチップにすることもできます。その際は、おつりはいりませんとはっきりと伝えたほうがいいでしょう。

You can keep the change.(おつりはとっておいてください)
Please keep the change.(おつりはとっておいてください)

両替してほしいとき

高額の紙幣しかない場合、お店に伝えれば小額紙幣に両替をしてくれることがあります。

Could I have smaller bills please?(小さいお金にしてもらえますか?)
Could you break this?(崩してください)

店員さんに感謝の気持ちを伝えたいとき

感謝の気持ちを伝えるならば、Thank You.でも十分ですが、さらに一言付け加えると、より気持ちが伝わるでしょう。

Thank you for the great service.(素晴らしいサービスをありがとう)
It was very good, thank you.(大変おいしかったです。ありがとう)

まとめ

海外ではサービスを受けた際にチップを渡す習慣のある国も多く、旅行前に現地のチップに関する情報を知っておくことが大切です。特にハワイも含めたアメリカはチップが必須となるシーンが多くあります。レストランなどでは料金の15~20%、ホテルでは荷物を運んでもらったりするごとに1~2ドル程度を渡すと良いでしょう。
レストランではチップを現金でもクレジットカードでも払うことができます。クレジットカードで払うときには、伝票の所定の位置にチップの金額を書き入れるようにします。
チップの習慣をしっかり覚えて、快適な海外旅行を楽しんでください。

ページトップへ