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南海トラフ巨大地震対策報告書について
その概要と事業者に求められる対応について

平成26年に策定された『南海トラフ地震防災対策推進基本計画』で掲げた減災目標に向けて、これまで国、自治体、事業者、国民等の各主体において南海トラフ地震に対する様々な防災対策が実施されてきた。そして令和7年3月に、『南海トラフ巨大地震対策について(報告書)』として、被害想定・被害様相※1及び取るべき対策等について10年ぶりの見直し結果が公表された。
本レポートでは、今回新たに見直された被害想定について整理し、対応の基本方針に触れた後、事業者が取るべき対応とBCPの実効性確保のための取組について解説する。
- ※1 被害想定とは災害発生時の被害を数値で示した定量的なものであり、被害様相とは被害の様子を具体的に示した定性的なものである。
はじめに
本レポートは、中央防災会議防災対策実行会議 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループから令和7年3月31日に公表された、『南海トラフ巨大地震対策について(報告書)』※2(以下、「報告書」という。)について、要点を解説したものである。制度運用を開始して以降初めての南海トラフ地震臨時情報の発表(昨年8月)や、今回報告書の公表により南海トラフ地震に対する社会的関心が高まっていることを受けて、本テーマを取り上げることとした。
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループは、平成24年4月に第1回目が開催され、以降検討が進められてきた。平成26年には、『南海トラフ地震防災対策推進基本計画』(以下、「基本計画」とする)が策定され、「今後10年間で、想定される死者数を概ね8割減少、建築物の全壊棟数を概ね5割減少」※3という減災目標を掲げて、行政を中心に事業者においても、様々な防災対策が実施されてきた。
そして、令和6年に基本計画の策定から10年を迎えたことから、その見直しに向けて被害想定・被害様相及び取るべき対策の検討が行われ、報告書として公表された。この中では、前回にはなかった災害関連死の試算、地形データの更新等による津波浸水域の変化に伴う被害想定結果の違い等がみられる。
報告書は本文だけで130ページを超える大部であるが、その構成は次のとおりである※4。
- 10年間の南海トラフ地震防災対策の進捗状況
- 近年の社会状況の変化等や自然災害等における課題等を踏まえた対応、新たな被害想定・被害様相
- 南海トラフ巨大地震対策の基本方針
- 具体的に実施すべき対策
- 今後検討すべき主な課題
本レポートでは上記構成のうち、今回新たに見直された被害想定について整理し、対応の基本方針に触れた後、事業者が取るべき対応とBCPの実効性確保のための取組について解説する(上記の下線部が対象)。
なお、本レポートにおいて、枠線内の記述は報告書からの引用(一部、要約を含む)であることを示す。
| 項目 | 目標 | 進捗 |
|---|---|---|
| 公立・国立等の学校、災害拠点病院及び救命救急センター、警察本部・警察署等の耐震化率 | - | それぞれ95%以上 |
| 住宅の耐震化率 | おおむね解消 | 90% |
| 家具の固定率 | 65% | 36% |
| 上水道の基幹道路の耐震適合率 | 50% | 42% |
| 津波避難計画の策定率 | - | 100% |
| 津波避難ビル等を指定している市町村 | 100% | 98% |
| 地方公共団体のBCP策定率 | 100% | 100% |
| 大企業のBCP策定率 | 100% | 76% |
| 中堅企業のBCP策定率 | 50% | 46% |
表1 <参考>報告書で整理されているこの10年間における主な地震防災対策の進捗
- ※2出典:内閣府「“南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(令和5年~)” 内閣府防災情報のページ」(2025.05.14)
https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg_02/index.html - ※3出典:報告書、2ページより
- ※4出典:報告書本文のほか、被害想定、被害様相、被害想定手法、地震対策事例集などの資料が同時に公表された。
被害想定
報告書では、最新の知見に基づく推計手法の見直しや地形データの更新、建物の耐震化等の現在の状況を踏まえて見直した被害想定が示されている。下表は平成26年時点と今回の被害想定を比較(一部加筆)したものである。
| H26基本計画 | R7被害想定 | ||
|---|---|---|---|
| 死者数 | 約21.9万人~約33.2万人 | 約17.7万人~約29.8万人 | |
| 建物倒壊 | 約9.3万人 | 約7.3万人 | |
| 津波 | 約11.6万人~約22.9万人 | 約9.4万人~約21.5万人 | |
| 地震火災 | 約1.0万人 | 約0.9万人 | |
| 全壊焼失棟数 | 約250.4万棟 | 約235.0万棟 | |
| 揺れ | 約150.0万棟 | 約127.9万棟 | |
| 津波 | 約14.6万棟 | 約18.8万棟 | |
| 地震火災 | 約85.8万棟 | 約76.7万棟 | |
| 電力(停電軒数) | 最大約2,710万軒 | 最大約2,950万軒 | |
| 情報通信(不通回線数) | 最大約930万回線 | 最大約1,310万回線 | |
| 避難者数 | 最大約950万人 | 最大約1,230万人 | |
| 食糧不足(3日間) | 最大約3,200万食 | 最大約1,990万食 | |
| 資産等の被害 | 約169.5兆円 | 約224.9兆円 | |
| 経済活動への影響 | 約44.7兆円 | 約45.4兆円 | |
| 災害関連死者数 | - | 約2.6万人~約5.2万人 | |
表2 平成26年基本計画と令和7年被害想定の比較
報告書では人的・物的被害についての減災目標に対する進捗状況や、今回新たに推計された災害関連死についても記載されており、それらの要約を以下に示す。この10年間での減災目標に対する進捗はあまり芳しくない※5。
- 人的被害
【減災目標】平成26年度からの今後10年間(令和5年度)で、想定される死者数をおおむね8割減少
【進捗状況】想定される死者数が約33.2万人から約26.4万人に減少(約20%減少) - 物的被害
【減災目標】平成26年度からの今後10年間(令和5年度)で、想定される建築物の全壊棟数をおおむね5割減少
【進捗状況】想定される建築物の全壊棟数が約250万棟から約208.4万棟に減少(約17%減少)
災害関連死については、過去災害(東日本大震災の岩手県及び宮城県)及び能登半島地震の実績に基づいて推計されている。過去に類を見ない被害規模かつ超広域にわたって被害を生じると考えられる南海トラフ巨大地震では、過去災害でみられたような外部からの応援等が困難になることが考えられ、発災後の状況によっては、被災者が十分な支援等を受けられずに、災害関連死の更なる増加につながるおそれがある。
なお、万一、南海トラフ地震と同時に、あるいは地震に続いて発生すればさらに甚大な被害をもたらすものとして、風水害、感染症、富士山噴火や原子力災害が挙げられている。これらのうち、特に南海トラフ地震との直接的な関連性が強い富士山噴火と原子力災害については、報告書では複合災害対策として下記のような言及はあるものの、具体的な被害想定は盛り込まれていない。
<富士山噴火>
南海トラフ沿いの大規模地震の一つである1707年の宝永地震においては、その49日後に富士山が大規模噴火したことが知られている(宝永噴火)が、大規模地震に伴う大規模噴火の連動は必ずしも成り立たないことに留意する必要がある。
<原子力災害>
南海トラフ巨大地震についても、想定震源域及びその近傍に立地している浜岡原子力発電所(静岡県)や伊方発電所(愛媛県)等の地震対策は、当該発電所の事業者において確実に取組むとともに、原子力規制委員会はその対策について原子炉等規制法に基づき厳正に指導・監視することとなる。
また、報告書の別紙資料で被害様相の横断的整理がされており、想定される被害様相が主体別に時系列でまとめられているため、訓練のシナリオ作成等で参考にしてほしい。
- ※5 ここで記載の死者数および全壊棟数が上表の数字と異なるのは、減災目標における対策の進捗状況を算出するための地震動や津波の推計に用いるモデル・手法として、前回(平成24年)のものを採用しているためである。
対応の基本方針
南海トラフ巨大地震対策の基本的な考え方
平成25年のワーキンググループで基本的方向としてまとめられていた地震対策の方針が、内容は概ね同じであるが今回新たに整理されている。
最大クラスの地震に伴う被害量は、この10年間の対策によって一定程度減少したが、災害対応に係る人的・物的リソースは大きく不足するという想定に変わりはなく、行政による対応には限界がある。そのため、あらゆる主体が総力を結集して南海トラフ巨大地震に臨むことにより、下記を実現することが極めて重要であるとされている。
①地震・津波から命と社会を守ること
②直接的被害から助かった命や生活を維持すること
③生活や社会経済活動を早期に復旧すること
すなわち、「自然災害に対して、「行政が守る者、国民が守られる者」という考え方から「行政・地域・事業者・国民がともに災害に立ち向かう」という考え方※6」を持たなければならないということである。
主な課題とそれへの対応
地震対策における主な課題と対応について、以下の7つがポイントとして記載されている。
(1)地震動(強い揺れ)及び火災に伴う被害への対応
(2)巨大な津波に伴う被害への対応
(3)超広域かつ多分野にわたる被害への対応
(4)災害関連死防止のための避難者の生活環境整備等の被災者支援
(5)国内外の社会・経済に及ぼす影響への対応
(6)時間差をおいて発生する地震への対策等の推進
(7)複数の災害等への同時対応(複合災害対策)
防災力強化に資する対策の方向性
対地震の防災力強化について、以下の6つがポイントとして記載されている。
(1)主体的に防災対策に取組む社会の醸成
(2)計画的な取組のための制度類の拡充
(3)訓練等を通じた実効性のある対策の推進
(4)防災・減災に関する調査研究・技術開発の推進
(5)地震防災対策の進捗や効果を定期的かつ継続的に把握するための取組の推進
(6)総力を結集した対策を推進するための多様な主体との連携強化
- ※6 報告書、58ページより
事業者が取るべき対策
報告書が求めていること
報告書は、国、地方公共団体、事業者、国民等の主体別に、具体的に実施すべき対策を列挙している。それらの中から、一般の事業者が実施すべき対策として挙げられている項目の要約を以下に示す(ゴシック体は報告書内の章見出しを示す)。
1.社会全体における防災意識の醸成、体制の構築
(3)総合的な防災力向上に資する多様な連携
2)事業者等の対策及び事業者等との連携
- 顧客及び従業員等の生命の安全確保を図るため、事業所の建築物の耐震化や什器等の固定、不燃化、停電対策、避難環境の整備、避難誘導体制の整備等
- 膨大な数の帰宅者等が一斉帰宅行動をとることによる混乱を回避するため、一時滞在施設の確保や備蓄品の保管等の従業員や顧客等が滞在可能な環境を整備
- BCPの策定を経営レベルの戦略活動の視点で検討するとともに、定期的に社内教育や訓練を実施・公表することで、実効性を担保
- 災害発生時は、地域住民、行政、取引先事業者等と連携し、地域の一日も早い復旧・復興を目指すこと
- 平時から、地域防災を担う主体であることを認識し、地方公共団体の防災関係部局や消防団、自主防災組織等の地域防災を担う主体と連絡・連携体制を強化
- 従業員等の消防団・自主防災組織等への参加、地区防災計画の策定への参画等による、地域防災への積極的な貢献
3.災害発生時対応とそれへの備え
(1)初動期の対応
- 救助・救命活動に関する実践的な訓練・研修等を定期的に開催する仕組みづくり
- 一斉徒歩帰宅抑制のための「むやみに移動を開始しない」という基本原則を達成するため、事業所に当面滞在できる備蓄・資機材の充実
- 宿泊施設が被災する場合も想定されるため、被災時の地域経済への影響、地域に不慣れな旅行者の受入れの観点から、観光業に関わるBCP策定の促進
(2)応急期の対応
- 個人の情報取得手段がスマートフォンに依存していることや、SNS等による個人からの情報発信が普及したことにより、デマや流言が国内外に瞬時に流布することを踏まえ、マスメディア、インターネット、SNS等あらゆる媒体を活用して適時的確な情報発信を行うこと
4.復旧・復興に向けた対応
(1)復旧・復興に向けた総合的な検討
- リスクファイナンシングの充実等による復興資金の確保策の検討
(3)行政、事業者等の業務継続の確保
- BCPを策定し、同計画に基づき対策を実践し、それを改善・発展・定着させるための継続的な取組として、①経営者が方針を立て、②計画を立案し、③日常業務として実施・運用し、④従業員の教育・訓練を行い、⑤結果を点検・是正し、⑥経営者が見直す、このような一連のサイクルを繰り返し行っていくことをBCPに明確に規定し、実行すること
- サプライチェーン寸断対策として、国内外の仕入先や生産拠点の複数化、部品の代替性やバックアップライン、輸送手段の確保等について検討し、検討結果をBCPに反映
- 中京都市圏や京阪神都市圏が被災することにより、経済中枢機能が低下し、生産・サービス活動が大きく影響を受けることから、事業者間の連携、重要なデータやシステムの分散管理を行うなど、経済中枢機能やデータ等のバックアップ体制の強化
- 物流事業者等においては、BCPの策定等の事前準備と必要な体制の確保に加えて、物流拠点の複数化
- 実効性のある事業継続マネジメントを進めるため、(国が提示する)事業者等の防災の取組を評価する手法・制度の活用により、自らの防災・事業継続の取組を点検
- 中小企業のBCP策定の更なる推進
- 被災時の地域経済への影響などを考慮した、BCP策定の義務化が必要な業種の点検、及び対象業種を増やす取組の推進
(7)産業となりわいの復興
- 災害を契機として後継者不足等が顕在化し、廃業に至ったケースなども見られたことから、事業者等は、災害の発生前から、早期の事業承継を検討
- シェア率の高い製品を製造している事業者等が業務停止に陥ると、国内外の関連事業者の製造を停止させる可能性があることを念頭に置いて、事業者間の連携を推進
5.時間差をおいて発生する地震等への防災対応
- 臨時情報(巨大地震警戒)発表時、1週間の事前避難を行った上で社会経済活動の継続が求められることから、日頃から事前避難の際に必要な備えを確保
- 後発地震に伴う地域への二次被害の影響が懸念される場合には、むしろ「事業を停止する」という従来のBCPの考え方に反する判断が迫られる事態も生じうることを考慮した事業継続の検討
6.横断的課題への対応
(2)海抜ゼロメートル地帯における対応
- 長期間湛水する状況も想定し、あらかじめ他の地域への避難先の確保、より長期間の物資等の備蓄を行うこと
7.防災DXの推進と課題
- 被害が甚大で情報・データ等の入力・発信が極めて困難な状況下でも最低限必要な情報の位置付けや、時間経過と被害状況に応じた入力情報の簡素化をあらかじめ検討
- 災害時、動画や音声による情報発信は困難でもテキスト形式での発信が可能な場合があることから、情報の内容に応じた適切な伝達・入手ルートの検討の推進
- 冗長性を確保するハードやアプリケーションの構築を複数の事業者が請け負っている場合は、冗長性の実態が不透明になるおそれもあることから、システムの全体像を正確に把握した上で地震対策を講ずること
BCPの実効性確保のための取組
報告書において、事業者に対しては、実効性を伴うBCPの策定並びに策定後の運用が強く求められている。BCPの策定率は、企業規模別の政府目標が、大企業100%・中堅企業50%以上であるのに対し、令和5年度末の調査によれば、大企業76.4%、中堅企業45.5%に留まっており、策定の加速が期待される。また、策定もさることながら、より難しいのは実効性を持たせることであろう。
南海トラフ地震など大地震を想定したBCPの要所は、<安全確保・被害軽減>、<(重要業務の継続・早期復旧のため)代替性・冗長性確保>から成る。報告書でも前述要約のとおり実施すべき対策が多く挙げられているが、以下にBCPの実効性担保に必要な具体的取組を示すので、各社の取組の参考にしていただきたい。一度にすべての対策を講じることは困難であるが、経営がその必要性を理解のうえ、先延ばしすることなく着実に取り組む必要がある。
<安全確保・被害軽減に係る取組>
□新たな被害想定・ハザードマップの確認
□建屋の耐震性確保
□建屋内設備・装置・什器・天井板の転倒・落下防止(固定、振れ止め等)※7
□危険物の漏洩防止(蒸気、高温水、ガス等の危険物配管の固定、振れ止め、フレキ挿入、感震装置設置等)
□倉庫内の保管物の落下防止(フィルム包装・結束バンドの利用、ストッパー設置、ラック免震化等)
□津波浸水防止(開口部の水密化、重要設備のかさ上げ、防水壁・止水板の設置等)、または相当な浸水深が想定される場合は津波浸水想定地域からの移転
□南海トラフ地震臨時情報の発表時の事業継続にかかる方針の決定※8
□増加傾向にある外国人従業員における防災の取組※9
<代替性・冗長性確保に係る取組>
□南海トラフ地震の影響がより小さい地域への事業の移転・分散(自社内での代替性確保のほか、協力会社・同業他社における代替性の確保等)
□大きな影響を受けるサプライヤの特定と、冗長性の確保(南海トラフ地震の影響がより小さい地域でのサプライヤの確保等)
□本社機能の代替性の確保(本社被災時の暫定的な意思決定機能設置先の確保※10、非被災地の拠点における重要機能(支払、広報、情報システム監視等)の代行能力の確保)
□情報システムの継続性の確保(データセンターへの移行やクラウド化、データの遠隔地バックアップ、災害後の混乱を狙ったサイバー攻撃増加に備えたセキュリティの向上等)
□社内外への情報発信・収集手段の複線化(電話、メール、安否確認システム、SNS、グループウェア等)
<両要素に共通する取組>
□南海トラフ地震による自社への影響、災害発生時に取るべき行動やBCPの内容について経営層の理解を得ること、および従業員に周知すること(研修や訓練(実技・実動型、ディスカッション型等))
□訓練内容・シナリオの高度化(複合災害シナリオ、甚大な被害に伴う復旧断念後の事業転換等)
□周知に加え、経営層・従業員からの意見の吸い上げや事業環境変化の反映による内容の継続的改善
□南海トラフ地震が経営・財務に与える影響の予測と資金確保手段の検討(地震保険に加入等)
- ※7出典:能登半島地震を経験した製造業の復旧報告書においても、設備耐震性向上の有効性が言及されている。
中部経済産業局【参考】「令和6年能登半島地震におけるものづくり企業の復旧ポイント事例集」(2025.05.14)
https://www.chubu.meti.go.jp/a21somu/press_2024/20250318/index.html - ※8出典:内閣府防災担当【参考】「南海トラフ地震臨時情報とは ~その時私たちは何をすればいいのか~」(2025.05.14)
https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/r06/111/special_02.html - ※9出典:弊社筆【参考】損保ジャパンRMレポート、No.262、「外国人従業員を雇用する事業所での防災の取り組み」(2025.05.14)
- ※10 災害対策本部メンバーが集合できる場所。可能な場合は、Web上での集合も選択肢となる。
おわりに
平成26年の基本計画の策定以降、各主体における南海トラフ巨大地震対策は一定程度の進捗があった一方で、従来の行政主体による対策だけではリソース不足が生じることなどからさらなる対策の推進には限界がある。また、今後の人口推移や社会状況の見通しを踏まえると、これまで防災に関わってきた特定の主体による取組だけでは太刀打ちできない。
このような大規模災害に立ち向かうためには、自らの命は自らが守るという意識の下、事業者も徹底的な事前防災に取り組む必要がある。例えば、備蓄等の事前の備えにより生活を維持できるようにすること、そして有効なBCPを策定・運用することで事業の早期復旧を図ることが重要である。また、広域的な被害となることから被災地への応援に限界が想定されるため、4章で挙げたような事前対策や事業継続の取組によって外からの応援への依存を極力低減することを目指す必要がある。
報告書の内容を受けて、事業者はより一層主体性を持って地震対策に取り組んでいかなければならない。本レポートが、事業者の取るべき対策の参考になれば幸いである。
- (注1)損保ジャパンRMレポート270(2025年5月20日)の情報をもとに作成しております。
- (注2)トップ画像は生成AIを用いて作成しております。
執筆者紹介:石井 和尋 Kazuhiro Ishii
SOMPOリスクマネジメント株式会社 クライシスマネジメントコンサルティング部
主席コンサルタント
専門は企業向けBCMコンサルティング(防災・事業継続計画の策定・訓練等)
福嶋 雄斗 Yuto Fukushima
SOMPOリスクマネジメント株式会社 クライシスマネジメントコンサルティング部
コンサルタント
専門は企業向けBCMコンサルティング(防災・事業継続計画の策定・訓練等)
コンテンツ提供:SOMPOリスクマネジメント株式会社
SOMPOリスクマネジメントでは、「リスクマネジメント」に関する様々なリスクソリューションの提供を通じて、お客さまの持続的な成長・発展をご支援します。





























