環境保全プログラムにおける社会的価値の算出~「SAVE JAPAN プロジェクト」の2015年度の活動成果を見える化~
2016年08月30日
損害保険ジャパン日本興亜株式会社(社長:西澤 敬二、以下「当社」)は、株式会社公共経営・社会戦略研究所(代表取締役社長:明治大学経営学部教授 塚本一郎)の協力のもと、生物多様性の保全活動を行う「SAVE JAPAN プロジェクト」の社会的投資収益率(以下「SROI」)分析*を用いた社会的価値の算出を行っています。この度、2015年度事業(対象期間は2015年4月~2016年3月)の社会的価値を、アンケートなどによる定量的・定性的データをもとに可能な限り数値化し、可視化しました。なお、「SAVE JAPAN プロジェクト」におけるSROI分析は、生物多様性保全分野における社会的価値の評価において、国内最初の事例です。
- *経済的価値ではなく社会的価値に着目した評価手法。事業の展開によって生じた社会的価値とその社会的価値を生み出すために要した費用を比較することによって事業の有効性が計測される。
SROI(社会的投資収益率)=生じた社会的価値(総便益)/要した費用
- 「SAVE JAPAN プロジェクト」の概要
「SAVE JAPAN プロジェクト」は、自動車保険のお客さまに、ご契約時にWeb約款などを選択いただいた場合や自動車事故の修理時にリサイクル部品などを活用いただいた際に削減できたコストの一部を活用して、日本NPOセンター、地域の市民活動を支援するNPO支援センターや全国の環境NPOと協働で、市民参加型の生物多様性保全活動を行うプロジェクトです。2011年度の開始から5年間で累計628回のイベントを開催し、30,982名の市民の皆さまに参加いただいています。
このプロジェクトでは、市民の皆さまに身近な自然環境に関心を持っていただく機会を提供するとともに、企業とNPOが市民の皆さまと協働で生物多様性保全活動を実施することで「いきものが住みやすい環境づくり」を目指しています。
- 2015年度 SAVE JAPAN プロジェクトにおけるSROI分析結果
本プロジェクトの目的は、「市民の皆さまへの環境保全活動の参加機会の提供」です。
この度の分析では、環境保全イベントへの市民の参加という主要な成果に加え、プロジェクトの展開によって生まれたパブリシティ効果やNPOの新規会員数の増加など副次的・波及的な成果、生物多様性保全価値も便益項目として分析の対象とし、プロジェクト全体の社会的価値の貨幣化に努めました。
その結果、2015年度、社会的価値総額(総便益)は約1億4,883万円、要した費用は約7,455万円、SROIは2.00となりました。SROIが1を大きく超えたことで、プロジェクトの有効性が示され、また、2011年度からのSROIは右肩上がりに上昇し、2013年度1.12、2014年度1.76であったことから、長期的に波及効果が広がり、社会的投資に対する効果が向上したことになります。
詳細は、以下リンク先に掲載している「SAVE JAPANプロジェクト2015 SROI評価レポート」をご覧ください。
- 今後の展開について
今回のSROI分析の結果をNPOなどのステークホルダーと共有するとともに、プログラムの継続的改善ツールとしても活用し、引き続き「いきものが住みやすい環境づくり」の実現に向けて取組んでいきます。
<2015年度のSAVE JAPAN プロジェクトによるSROIまとめ>
以上