新築の建物や購入したばかりの家財は、新築価格・購入価格そのものが建物や家財の価値となりますが、実際には、物の価値は時間の経過とともに老朽化などによって下がっていきますので、火災保険の契約にあたっては、建物・家財などの保険の対象を正しく金銭に評価する必要があります。
この保険をつけた物を金銭に評価した額を、「保険価額」といいます。
また、万が一火災が発生した場合に支払われる損害保険金は、契約時に設定した「保険金額」が限度となります*。「保険金額」は「保険価額」をもとに設定しますので、保険の対象が正しく評価されず適切な「保険価額」と「保険金額」が設定されないと、損害の額どおりの保険金が支払われなかったり、むだな保険料を支払うことになります。
したがって、十分な補償を受けるためには、「保険価額」と「保険金額」の関係を十分に理解し加入することが大切です。
- ■保険価額
保険価額には、「新価」と「時価」という2通りの考え方があります。
- 新価
同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額をいいます。
- 時価
同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、「経過年数による価値の減少と使用による消耗分」を差し引いた金額をいいます。簡単に言い換えると、建物や家財などの現在の価値といえるでしょう。
- ■保険金額
保険契約の際に設定する契約金額です。事故が発生した場合、保険会社が保険契約に基づき支払う「保険金」の限度額となります。*
- ■損害保険金
事故により損害が生じた場合に、保険会社が保険契約に基づき損害保険金をお支払いします。
* 個人用火災総合保険の場合、復旧付随費用もあわせて保険金額の2倍(復旧費用は保険金額)が限度となります。
十分な補償を受けるための保険金額設定のポイントは、次の2点です。
ポイント1. 新価を基準に設定する。
ポイント2. 保険金額=新価に設定する。(全部保険)