共同海損とは
共同海損は、古くは紀元前の昔から行われてきた「海の法律」とも呼ぶことのできる制度で、海上危険に際して、共同危険団体を構成する船舶、積荷、燃料、運賃等のいずれかが、関係者のすべての利益のために、犠牲に供されたり、余分の費用を支出した場合に、その犠牲や費用を安全に助けられたそれぞれの価額に応じて分担(精算)する制度です。例えば、荒天に遭遇して浸水し、そのままでは船舶も積荷も沈没全損の危機に瀕したため、船長が故意に本船を付近の浅瀬に座州させたような場合、浅瀬に任意座州したことによって、本船の船底に損傷を被ったものの、本船と貨物は沈没全損の危機を免れたとすれば、本船船底の損害(犠牲損害)を修復するための費用は、助けられた本船と貨物の価額で分担(精算)することが公平ではないでしょうか。なお、共同の安全のために、故意に行った行為、この場合では任意座州することを共同海損行為といいます。