共同海損として認められた費用や犠牲損害は航海完了時の船舶や積荷の到着価額に応じて分担されます。即ち、航海完了時に分担義務が生じるということですから、避難港出港後、仕向地に到着するまでに、別の海難事故により本船が沈没全損となったような場合には、到着価額がありませんので、船主殿が既に支払い済みの費用等(例えば、避難港で支出した港費等)は、共同海損として船舶保険者からも積荷保険者からも回収することができなくなってしまいます。このような危険を担保するのが共同海損費用保険であり、この保険料は共同海損に認容されます。現在この保険は次の2種類あります。
Average Disbursement Clauses (A)
到着価額が少しでも減額すれば、その減価額に対応する共同海損分担額を填補します。
Average Disbursement Clauses (B)
全ての財貨の到着価額が共同海損費用以下になったとき、その不足額を填補します。