このページの本文へ移動します

本修繕時の注意点

修繕地の決定

通常、損害賠償請求のなかで一番大きな請求費目は修繕費です。当然衝突によって被った損傷ですから相手側に全額請求できますが、たとえ相手船の一方過失であったとしても、必ずしも全額回収できるとは限りません。船主には損害の防止・軽減を行う義務がありますので、最善の修繕地を決定する必要があります。例えば、衝突により大きな損傷を被り、即修繕が必要な場合、目の前に最善の造船所があるにも拘わらず、通常船主工事を行っている衝突地点より随分離れた造船所まで曳航したとしたら、相手側はこの曳航費を妥当として認容してくれるでしょうか。しかし、たとえ曳航費を掛けてでも通常使用している造船所で修繕したほうが全体的に安くなる場合はどうでしょうか。
これは修繕地選定の妥当性の問題であり、競争入札による事前見積を入手するなどして、最善の造船所を選定したことを立証しなければなりませんので、修繕地を決定する前に当社にご相談ください。

サーベイの手配

本船へのサーベイ

衝突直後にもサ-ベイを手配し損傷の程度等を確認しましたが、水線上の損傷しか確認できません。したがって、本修繕時にドライアップした際、造船所の担当者と水線下の損害を確認するとともに修繕仕様を決定する必要がありますので、再度サーベイヤーを手配致します。もちろん、相手船保険会社または相手船主にも本船修繕スケジュールを事前に連絡し、相手方のサーベイヤーにも、修繕の仕様や完工を確認させ、後日双方の主張が異なることを避けます。したがいまして、本修繕のスケジュールが決まりましたら事前に余裕をもって当社までご連絡ください。

相手船へのサーベイ

当社も、相手保険者より相手船の損傷状況及び修繕仕様などを確認するためにW.P Surveyの実施を打診されますので、サーベイヤーの手配を致します。ここでは修繕仕様が、衝突による損傷箇所に限られているか、船主工事や他の海難によるものが含まれていないか等について確認し、後日相手側の不正請求を排除します。

ページトップへ